資料集


資料集1 日本水琴窟アカデミーのロゴマークについて


資料集2 サイエンスチャンネル 時代を超える技~歴史的建造物を科学する~

     2007年制作 (5)水が奏でる自然の琴 ~水琴窟の音色の秘密~




資料集1  日本水琴窟アカデミーのロゴマークについて

▣ ロゴマーク
日本水琴窟アカデミーのロゴは”水玉の物理”の図版から引用した、「水琴窟の音源(気泡)」をモチーフにしています。

 

      ・伏せ瓶のイメージ ←

 

     ・水柱の立ち上がり ←

 

    ・水琴窟の音源(気泡)←

 

■ロゴ・アートの由来
       水琴窟の音の正体とは?
   ― ロゴに示された音源のメカニズム ―

本会のロゴ

 往年の名著で表紙も本文も辺縁が経年焼けした、ロゲルギスト著『第四 物理の散歩道』(岩波書店)が手元にある。この四六判の単行本は、一線級の物理学者たちが身近な事象を談論し、出版後には増刷をかさねた“科学エッセイ集”であり、全5巻のうちの4冊目である。同書内に小見出し ”水玉の物理” という小篇があり、本会のロゴ・アートはこの小篇で使われた図版をモチーフにしている。
 水琴窟のあの幽(かそけ)し音の正体は、水玉(しずく“滴・雫”に同義)が水面に垂れるときの偶発音を音源に、その音源を囲う空間が自らの固有振動モードで共振した、いわば密室空間(例えば堅く焼成した瓶)の中の残響音である。我々はそれを水琴窟の音として拝聴し愛で鑑賞している。

 

 

▣ 音響解明の原典 ”水玉の物理”(前掲書110-133頁)

 初版は昭和44(1969)年、筆者はロゲルギスト同人の磯部孝である。刊行されてから10数年後の水琴窟ブームに至り、後学の徒にとって本書は水琴窟の音響機構を解明する原典になった。同氏は最初1967年8月号の雑誌『自然』(中央公論社)に、連載シリーズの一篇として執筆した。本篇ではその内容に加えて新たな実験(六節:126-128頁)を追試している。ただし、前述した年代順から考えて、同氏は水琴窟のことを執筆時には何も知らなかったと思われる。またブームになってからも学者としての矜持からか、マスコミに登場することはなかった。

▣ ”水玉の物理” 要点の紹介

Ⅰ. 水中の気泡の大きさ、及びその振動数
 オランダの物理学者:M.Minnaert が専門誌Phil.Mag.(1933)に発表した、標記の2変数間の理論式が冒頭の節で紹介されている。ミンナエルトによると、例えば次のように気泡が小さなほど高い音になる(単位Hzは1秒間の振動数)。
・気泡の直径5ミリのとき、1,280 Hz  ・直径3ミリのとき、2,100 Hz

Ⅱ. 水玉が水面に垂れる音(略して ピョン)は偶発
 水玉が水面をたたいてピョンと音がした跡には、たいてい泡が残っている。水玉が水面にぶつかる時に、見た目はバサッという感じはするのだが、この衝撃音は耳に聞きとれず泡もない。さて、滴下した水が百発百中 ピョンと音を出すために必要な条件とは?

磯部の所説:

 このピョンの成因は、水玉が図-1に示すように大小の千切れた状態で落下することにある。最初の大きい水玉(正)が水面に開けたくぼみ(凹面)の中に、引き続いて小さい水玉(副)がもう一つの小穴をあける(この正・副の時間差≦1/30秒)。ところが大きい穴のほうは今や一斉にしぼみつつあるので、小穴はそのため封じ込められ気泡となる。次いで求心状に立ち上がった ’こけし人形’ に似た水柱へ、この気泡は一旦吸い込まれるが、結局は吐き出され水面に泡(アブク)となって浮かぶ。
 この所説に従うと、①つらら状の片割れの雫(副)ができない場合(ex. 細い突端から水玉が垂れるとき)、もしくは②正・副が離れ過ぎて時間差が大きい場合、これらの場合には水中に気泡ができず、ピョンの音が発生しない。

        

 

 

 

 

 

 

 

                        図-1 水玉の垂れ下がる事例

Ⅲ. 同六節 ピョンの音の原因は気泡の振動
 図-2は左列側が気泡のできる過程の瞬間写真、右列側は音波の波形記録Bと、左側の写真をとった瞬間の時刻(水平線Aが一段下がった箇所)とが重ね焼きされている。同氏の記述のままを転記すれば、写真1は音の出始める2ミリ秒前で水平線が下がっており、瞬間写真をみると気泡はまだ凹面の底につながった状態である。写真2はまさに気泡が分離した瞬間に、同3は0.2ミリ秒後に、さらに同4は1.2ミリ秒後に、同5は1.7ミリ秒あとに、それぞれ撮った瞬間写真である。
 改めて写真2について再確認すると、Aの線が一段下がった位置と、Bの波形の開始点とがピタリと一致しており、確かに気泡ができた瞬間から音が出始めることが実証されている。さらに波形全体の長さを読み解くと、気泡の音はわずか数10分の1秒たてば消えてしまう。
  ※ 水温が高いときには、気泡内の飽和水蒸気量が増える。このため減衰時間はさらに短くなるそうで、
    水琴窟の水源として温泉の廃水を利用する場合には、この件も知っておくべきことかもしれない。
  ※ 図-2右列側は、原図の画像の色を反転処理した。理由は白い描線を黒色に変換して見易くするためであり、
    原著の図版に手を加えたことに対し、また図版に名称を勝手に付与したことも含めご理解ください。




      

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                        図-2 水琴窟の音源(気泡)




資料集2

サイエンスチャンネルの  時代を超える技~歴史的建造物を科学する~

(5)水が奏でる自然の琴 ~水琴窟の音色の秘密~

※現日本水琴窟アカデミーの代表岸塚正昭が、2007年当時日本水琴窟フォーラム理事の時に出演した番組です。

以下をクリックすると、サイエンスチャンネルの【(5)水が奏でる自然の琴 ~水琴窟の音色の秘密~】の番組を見ることができます。
 

https://scienceportal.jst.go.jp/gateway/sciencechannel/b075101005/